茨城県で新たに金属くず商 許可を取得したいと考えている方に向けて、令和7年4月1日から施行された「特定金属類取扱業」の制度内容を、公的資料に基づいて整理します。
今回の制度改正では、従来の「金属くず商」と「行商(戸別訪問)」という区分が廃止され、特定金属類を取り扱う営業については、許可制として一本化されました。
この記事では、制度改正の内容、申請に必要な書類、許可後に求められる義務、標識や行商従業者証明書の取扱い、許可取得までの流れなど、金属くず商 許可に関する基本事項を、条例および茨城県警察の案内に基づいて解説します。
金属くず商 許可については、「制度が大きく変わった」「難しくなった」といった印象を持たれることもありますが、制度の基本構造自体は、許可制を前提とした枠組みです。一方で、本人確認や記録保存、標識・証明書の取扱いなど、新制度で定められた事項があるため、事前に整理しておくことが重要です。
本記事が、金属くず商 許可の取得を検討している方にとって、制度理解と準備の一助となれば幸いです。
特定金属類取扱業の新制度と金属くず商 許可の一本化
令和7年4月1日、茨城県では「茨城県特定金属類取扱業に関する条例(令和6年条例第70号)」が施行されました。これにより、旧制度の「金属くず商(許可制)」と「行商(届出制)」という区分は廃止されています。
新制度では、店舗営業・行商のいずれの場合であっても、特定金属類取扱業として同一の許可手続の対象となります。行商のみを行う場合であっても、許可が必要であることが、茨城県警察の制度概要資料に明記されています。
旧制度では、営業形態によって「許可」と「届出」が分かれていましたが、新制度では、特定金属類を取り扱う営業について、許可制として整理されています。
※制度内容は、茨城県条例および施行規則に基づく正式な運用です。
金属くず商 許可が必要となるケース
金属くず商 許可が必要となるケース・不要となるケース
金属くず商 許可は、条例で定める「特定金属類を買い受ける行為」を行う事業者に必要となります。したがって、金属を受け取る側か、排出する側かによって、許可の要否が明確に分かれます。
◆ 許可が必要となるケース(受け取る側)
- 買取として特定金属類を買い受ける場合
- 無料で特定金属類を回収する場合
- 処分費を受け取って特定金属類を引き取る場合
- インターネット上で買取を募集し、実際には対面で特定金属類を受け取る場合
対価の支払方向(払う・受け取る)にかかわらず、特定金属類を業務として受け取る行為が条例上の取扱業に該当するかが判断基準となります。
◆ 許可が不要となるケース(排出する側)
- 処分費を支払って金属を引き取ってもらう場合(排出者側)
- 単に金属製品を販売するだけの場合
- 買い受け行為が発生しないインターネット取引のみを行う場合
金属を手放す側(排出者側)は、特定金属類を業務として買い受ける立場ではないため、金属くず商 許可は不要です。
補足:特定金属類の定義(条例第2条より抜粋)
「金属若しくはこれを主要な材料として製作した物品(再加工して生ずるものを含む。)又はこれらの部分品であって、再生して利用することができるもの」 (茨城県特定金属類取扱業に関する条例 第2条)
この定義により、銅線・アルミ・鉄材料・金属部品など、再生利用が可能な多くの金属類が特定金属類として対象となります。
金属くず商 許可の申請に必要な書類

金属くず商(特定金属類取扱業)の許可申請では、茨城県特定金属類取扱業取締規則に基づいた「別記様式」により書類を作成します。必要書類は個人で申請する場合と、法人として申請する場合で内容が異なります。以下では、茨城県警察が公表する最新資料に基づき、提出すべき書類を整理しています。
◆ 個人で申請する場合(個人事業主)
- 特定金属類取扱業 許可申請書(別記様式第1号)
- 略歴書(申請者本人)
- 誓約書
- 欠格事由に該当しないことを確認する書類(住民票・身分証明書など)
- 行商を行う場合は、申請書内の記載が必要
個人で申請する場合に必要となる書類は上記のとおりです。いずれも施行規則で定められた書類であり、あらかじめ正確に準備しておくことが重要です。
◆ 法人で申請する場合(会社)
- 特定金属類取扱業 許可申請書
- 法人の登記事項証明書
- 法人の定款の写し
- 役員全員の略歴書
- 役員全員の誓約書
- 役員全員の欠格事由確認書類(身分証明書等)
- 行商を行う場合は、申請書内の記載が必要
法人申請では、役員全員について欠格事由の確認が必要となるため、個人申請よりも書類が多くなります。役員数が多い法人では、準備に時間がかかる場合があるため、早めの確認が重要です。
なお、申請に使用する別記様式や最新の記載例は、茨城県警察の公式サイトで公開されています。手続を検討している方は、申請前に必ず最新の様式を確認してください。
新制度で追加された義務と記録の取り扱い
新制度では、金属くず商 許可を受けた事業者に対し、条例および施行規則により次の義務が定められています。
- 本人確認義務(運転免許証などの確認)
- 本人確認書類の写しの保存(3年間)
- 取引記録の作成・保存義務(品目・数量・特徴・相手先など)
- 行商従業者証明書の携帯義務
- 許可番号などのWebサイト表示義務
- 盗難の疑いがある場合の警察への申告
これらの義務はすべて条例に明記されているため、金属くず商 許可の取得後は確実に対応する必要があります。特に本人確認と記録の保存は、取引トラブルや不正防止の観点から重要視されています。
補足:本人確認義務の例外として「買受総額が200円未満の場合」は対象外となる規定があります。
標識(看板)と行商証明書は事業者が自作|形式は公的に指定
新制度では、標識(看板)および行商従業者証明書は、事業者が自ら作成する方式となっています。これらは、施行規則により形式・記載事項が定められています。
標識(別記様式第5号)
- 縦横60cm以上の大きさ(茨城県警制度概要資料より)
- 別記様式第5号の記載項目に従う
- 営業所の見やすい場所に掲示する
行商従業者証明書(別記様式第4号)
- 所定様式に基づき作成
- 行商を行う従業者が携帯
自由形式ではなく、公的に定められた様式に従う必要があります。
参考:茨城県警察「特定金属類取扱業の許可手続」
https://www.pref.ibaraki.jp/police/
金属くず商 許可取得までの流れ

- 条例・施行規則を確認し、必要書類を準備
- 営業所所在地を管轄する警察署で申請
- 書類審査
- 許可(許可証は交付されず、通知書が交付)
- 標識掲示・記録保存等の義務に従って営業開始
- 許可は5年ごとに更新
よくある質問(FAQ
金属くず商 許可に関して、条例や県警資料に基づいて回答できる質問をまとめました。
A.はい。新制度では、行商のみの業者も金属くず商 許可の取得が必要です(県警資料に明記)。
A.県からの交付は廃止されました。事業者が自作する必要があります。
A.許可証そのものは廃止され、通知書が交付されます。
A.いいえ。別記様式第4号に基づいて作成し、従業者が携帯する義務があります。
A.許可番号・氏名などをサイト上に表示する義務が条例で定められています。
A.運転免許証など、条例に定める身分証明書です。
A.買受総額が200円未満の場合は対象外です。
A.手数料は県の規定により定められています。
A.更新申請を行わず許可期間が満了した場合などです。
A.申請書の区分に従い、該当部分を記載する必要があります。
補足:本FAQは条例・県警資料に基づき、推測を含まない内容のみ掲載しています。
行政書士に依頼するメリット
金属くず商 許可の申請は、事業者自身で行うことも可能ですが、申請区分(個人・法人)、役員関係書類の整理、行商の有無による記載の違いなど、確認事項が多くあります。
行政書士に依頼することで、必要書類の整理、申請書類の作成確認、標識や証明書の作成内容の確認など、手続全体を整理した形で進めることができます。
まとめ
茨城県では、令和7年4月1日から金属くず商 許可は特定金属類取扱業として許可制に一本化されています。行商を含めた営業形態が許可の対象となり、許可後には本人確認や記録保存、標識掲示などの義務が定められています。
制度内容を正しく理解し、必要書類や義務を整理したうえで準備を進めることが、スムーズな許可取得につながります。
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金属くず商 許可に関する手続や制度の理解から、専門的な書類作成まで行政書士がサポートいたします。
【参考情報】
・茨城県警察 特定金属類取扱業:https://www.pref.ibaraki.jp/police/
・茨城県条例・施行規則:https://www.pref.ibaraki.jp/
皆さまの金属くず商 許可がスムーズに進むよう心より応援しております。
