【障がい者支援の今昔】障がい者総合支援法っていつからあるの?

障がい者を支援する法律といえば、あの長い名前で有名な「障がい者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」、通称「障がい者総合支援法」ですよね。

ところで、この法律っていつから施行されたのでしょうか?

「戦後かな?」「昭和かな?」「いや、平成に入ってから?」なんて想像した方も多いのではないでしょうか。

実は、この法律が施行されたのは、なんと平成24年、つまり2012年なんです。意外と最近制定された法律だったことに、私も驚きました。

では、障がい者総合支援法が施行されるまでの間、障がい者支援はどのように行われていたのでしょうか?

障がい者支援の歴史:戦後から2012年まで

障害者支援の歴史を大きく3つの時期に分けると、以下のようになります。

1. 戦後~1980年代:個別施策の時代

戦後まもなく、身体障がい者福祉法、知的障がい者福祉法、精神保健福祉法など、障がいごとに個別施策が制定されました。しかし、障がいの種類によって支援内容がバラバラで、網羅性にも欠けていました。

2. 1980年代~2005年:障がい者自立支援法の導入

1980年代に入り、障がい者の権利意識の高まりやノーマライゼーションの理念に基づき、障がい者自立支援法が制定されました。この法律では、障がい者の自立と社会参加を促進するために、障がい福祉サービスの利用を容易にし、障がい者総合相談支援センターを設置しました。

3. 2006年~2012年:障がい者総合支援法への移行

障がい者自立支援法施行後も、障がい福祉サービスの利用が複雑でわかりにくい、サービスの質にばらつきがあるなどの課題が指摘されていました。そこで、2006年に障がい者総合支援法の検討が始まり、2012年に施行されました。

障がい者総合支援法のポイント

障がい者総合支援法の主なポイントは次のとおりです。

  • 障がいの種類にかかわらず、必要な障がい福祉サービスを総合的に提供する
  • 障がい者の意思決定支援を強化する
  • 地域生活支援事業を充実させる
  • 障がい福祉サービスの質の向上を図る

障がい者総合支援法は、障がい者一人ひとりのニーズに合わせた支援を提供することを目指した画期的な法律です。

まとめ

障がい者総合支援法は、障がい者支援の大きな転換点となる法律でした。しかし、施行からまだ10年余りと短い期間であり、課題も多く残されています。今後は、更なる法制度の整備や、関係機関の連携強化、人材育成などが求められています。

障がい者支援は、私たち一人ひとりが関わることのできる重要な社会課題です。障がい者総合支援法について理解を深め、誰もが安心して暮らせる社会の実現に向けて、できることから取り組んでいきましょう。

この記事が、安心して暮らせる未来について、考えるきっかけになれば幸いです。

行政書士石川将史事務所