
お墓の継承に悩む時代です
「自分が亡くなったあとのお墓はどうなるのだろう…」 そんな不安を抱える方が増えています。
背景には、少子化や核家族化、単身高齢者の増加といった社会の変化があります。
子どもにお墓のことまで負担させたくない、あるいは継いでくれる家族がいない、というケースも珍しくありません。
そうした中で注目されているのが「永代供養」と「死後事務委任契約」です。
この記事では、お墓を守る人がいなくても安心できる仕組みとして、この2つの制度についてやさしく解説します。
永代供養とは?
永代供養とは、ご家族や子孫に代わって、寺院や霊園が遺骨を長期間または永続的に管理・供養してくれる制度です。
これにより、継承者がいなくても、お墓が荒れたり無縁仏になったりする心配がありません。
最近では「子どもに迷惑をかけたくない」という思いから、あえて永代供養を選ぶ方も増えています。
永代供養の主な形式
- 個別型: 一定期間(たとえば33回忌まで)は個別に供養され、その後合祀されるタイプ
- 合祀型: 最初から他人と一緒に納骨。費用は安価ですが、遺骨の取り出しはできません
- 納骨堂型: 屋内の施設で、骨壺をロッカーなどに安置。一定期間後に合祀される場合があります
- 樹木葬型: 自然志向の方に人気。木の下に遺骨を埋葬し、供養は施設側が永続的に行います
費用の目安
永代供養の費用は形式によって異なりますが、以下が一般的な相場です。
- 合祀型:3〜10万円
- 個別型:20〜50万円
- 納骨堂型:30〜80万円(+年間管理費)
- 樹木葬型:20〜50万円(永代供養料込みの場合あり)
寺院や霊園によって異なりますので、希望する供養形式に合わせて、早めに情報収集を行いましょう。
死後事務委任契約とは?
死後事務委任契約とは、ご本人が亡くなったあとに発生するさまざまな事務手続きを、あらかじめ信頼できる人に任せておく契約です。
たとえば、次のようなことを契約で定めておくことができます。
- 葬儀・火葬の手配
- 永代供養の納骨手続き
- 住まいの片づけや家賃の解約
- 行政手続き(健康保険の返却、年金の停止など)
この契約を結んでおけば、ご自身が希望する方法で確実に供養されるという安心感につながります。
永代供養と死後事務委任はセットで考える
「永代供養を希望しているけれど、誰が手配してくれるのか不安…」
そんなときこそ、死後事務委任契約をあわせて検討するのがおすすめです。
ご自身が亡くなったあと、委任された人(受任者)が「遺骨を○○寺の永代供養墓に納める」という手続きを確実に実行してくれます。
とくにおひとりさまや、家族と距離のある方にとっては、「意思を託せる仕組み」として重要な制度です。
こんな方におすすめです
- お墓を継いでくれる家族がいない
- 子どもにお墓の負担をかけたくない
- 自分の希望通りに供養してほしい
- 死後の手続きを誰かに任せたい
「まだ元気だから大丈夫」と思っていても、判断能力があるうちに準備しておくことが大切です。
まずは気軽にご相談ください
永代供養や死後事務委任契約は、一度決めたら変えられないものではありません。
だからこそ、早めに内容を知っておくことが安心につながります。
費用や手続き、誰に頼めるのか――
気になることは丁寧にご案内いたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。
行政書士石川将史事務所では、永代供養や死後事務委任に関するご相談をお受けしています。
お一人おひとりの状況に合わせて、丁寧にお力になります。