農地転用前にすべき手続き:スムーズな転用に向けての準備①

農地転用をお考えですか? スムーズな転用を実現するためには、事前にしっかりと準備することが重要です。今回は、農地転用申請前に知っておくべき手続きについて簡単に解説します。

1. 土地に関する権利関係を整理する

農地転用を成功させるためには、まず土地に関する権利関係を整理する必要があります。具体的には、以下の項目を確認しましょう。

  • 土地の所有権は誰にあるのか? 相続が発生している場合は、遺産分割協議が済んでいることを確認しましょう。
  • 所有権以外の権利は設定されていないか? 借金などの担保として抵当権や根抵当権が設定されていないか、地上権や質権などの他の権利が存在しないかを確認しましょう。
  • 投棄されていない利用権はないか? 測量や筆界確定などの利用権が投棄されていないかを確認しましょう。

これらの権利関係に問題がある場合は、事前に解決しておく必要があります。専門家に相談するなど、早めに対処することが重要です。

2. 必要な測量を行う

農地転用には、確定測量と分筆登記という手続きが必要です。確定測量とは、土地の形状や面積を正確に測量すること、分筆登記とは、測量した結果に基づいて土地の登記簿を新しく作成することです。

確定測量には数ヶ月かかるため、早めに行うことをおすすめします。測量が必要ないケースとしては、以下の場合が挙げられます。

  • 面積が小さい
  • 周囲が住宅地で境界を示す杭がしっかり入っている
  • 周囲が農地であっても、ここ10年の間に区割りが行われ、しっかり杭が入っている

これらのいずれにも該当しない場合は、確定測量が必要となります。

3. 農業振興地域整備計画の変更申請を行う

青地の農地を転用する場合は、農業振興地域整備計画の変更申請を行う必要があります。この申請には最低半年かかるため、早めに準備を進めることが重要です。

また、農振除外の条件についても確認する必要があります。農振除外の条件を満たす場合は、農業振興地域整備計画の変更申請が不要となります。

4. 土地改良区の手続きを行う

転用する農地が土地改良区に含まれている場合は、土地改良区から農地を 除外するための手続きを行う必要があります。この手続きも、早めに進めることをおすすめします。

5. 都市計画法の許可申請を行う

市街化調整区域にある農地を転用する場合には、都市計画法の許可が必要となります。市街化調整区域では、自由に建物が建てられないため、転用する農地が決まったらすぐに都市計画法の相談をすることが重要です。

農地転用と都市計画法の許可は、同時申請・同時許可となります。

まとめ

農地転用は、事前準備が非常に重要です。今回紹介した以外にも、様々な手続きが必要となる場合があります。スムーズな転用を実現するためには、専門家に相談することをおすすめします。

参考情報

専門家への相談

農地転用や開発許可を行える行政書士に相談してみましょう。

この記事が、農地転用に関して参考になれば幸いです。

行政書士石川将史事務所