農地を住宅や店舗、駐車場などに転用する場合には、農地法に基づいた手続きが必要です。手続きには事前相談が必須であり、転用する土地選びも重要となります。この記事では、一般の方にもわかりやすく、スムーズな農地転用手続きを進めるためのポイントを解説します。
1. 転用する土地の選び方
ライフライン:上下水道、ガス、電気が整備されているか確認しましょう。特に、住宅地への転用を検討している場合は、ライフラインの整備状況が重要になります。
境界線:境界線が明確かどうか確認しましょう。もし境界線が不明確な場合は、確定測量が必要です。確定測量には、約2ヶ月程度の期間と40万円以上の費用がかかりますが、トラブルを回避するために必要な手続きです。
面積:必要な広さに応じて土地を選びましょう。建蔽率(敷地のうち建物を建てられる割合)は、20%が目安となります。
その他:日当たりや周辺環境、アクセスなども考慮しましょう。
2. 事前相談
農地転用を検討している場合は、事前に農業委員会へ相談することが重要です。相談には、以下の資料を用意しておくとスムーズに進みます。
- 土地の登記事項証明書
- 公図
- 固定資産税の一覧
- 建物周辺の状況がわかる住宅地図
時間のない方は法務局で登記事項証明書と公図を取得しなくても、インターネットで情報のみを取得することも可能です。「登記情報提供サービス」というシステムを利用し、PDFファイルとして取得することができます。申請の証明書には使えませんが、相の資料としては十分です。
農業委員会では、以下の点について確認できます。
- 転用したい農地は白地(農地として利用されていない土地)か青地(農地として利用されている土地)か
- 転用が可能かどうか
- 必要な手続き
- その他、法令上の規制
土地改良区の手続きが必要となる場合もありますので、事前に確認しておきましょう。
3. その他の注意点
- 農地転用は、あらかじめ計画的に行うことはできません。差し迫った事情があって転用する必要がある場合がほとんどです。
- 転用には費用がかかります。許可申請にかかる費用、造成工事費、仲介手数料など、様々な費用が発生します。
- 転用後の土地利用については、長期的な視点で検討する必要があります。
まとめ
農地転用は、事前準備と専門家への相談が重要です。この記事で紹介したポイントを参考に、スムーズな手続きを進めてください。
参考情報
専門家への相談
農地転用に関する手続きは複雑な場合もあります。専門家への相談を検討することをおすすめします。農地転用を得意とする行政書士に相談してみてください。
この記事は、一般的な情報提供のみを目的としており、個別の案件に関する法的助言ではありません。手続きに関し不安があればお近の行政書士に相談することをおすすめします。
この記事が、農地転用に関して参考になれば幸いです。