遺言書にはいくつか種類があります。この記事では公正証書で作成する公正証書遺言について、作成方法や流れについて解説していきます。
公正証書遺言の作成方法
公正証書の作成方法には、主に銀行に相談する、士業(弁護士、行政書士など)に相談する、個人で作成する方法があります。
個人で作成すれば、銀行や士業への費用が掛からないため、コスト面でのメリットは大きいです。しかしその反面、個人での作成には時間と労力がかかります。作成まで半年以上かかることもあります。
行政書士として、遺言書を作成してから1、2週間で亡くなったという事例をよく耳にします。そのため、遺言書作成は迅速に完了させることが求められます。
銀行によるサポート内容と費用、士業のサポート内容と費用を比較検討するのが良いと思います。
必要事項と書類
公正証書遺言の作成に必要な確認事項や書類等を以下にまとめました。
必要書類
- 本人との面談(遺言者)
遺言の意思があるか、認知症ではないか など - 本人確認資料
原則本人の印鑑証明とされていますが印鑑証明がなければ写真付きの証明書(免許証、マイナンバーカード)でも認められるとされています。また印鑑証明も写真付きの確認証もない場合には、士業の先生による「本人である」との証言があれば本人確認と認められる場合もあるので確認してください。 - 財産一覧表と裏付け資料
預金については銀行名と支店名、不動産については登記簿謄本が必要です。
確認事項
- 本人との事前面談
意思能力の有無、認知症の確認や遺言の意思があるか(無理やり書かされていないか)などの確認があります。公証役場まで出向けない事情があれば公証人が出張して来てくれるので日程等相談してみて下さい。 - 発語できない
言葉を発することが出来なくても、目の動き指の動きで意思を表現できれば認められることがあります。 - 認知症
認知症であっても認知症の進行の程度によって認められることがあります。遺言内容が簡単で理解できている場合には認められることがあります。公証人の判断が必要です。特に認知症の場合には遺言の有効性が問われることになりるので、認知症が疑われる場合には自筆証書遺言はお勧めしません。この場合には公正証書遺言での作成を強く勧めます。 - 後見人、保佐人、補助人
後見人等であっても要件がありますが、作成可能です。 - 筆記及び読み聞かせ
文字を書くことが出来なくでも、内容の読み聞かせ等で確認可能です。誰に何を、いくら相続させるのか遺言の内容の理解などの確認を行います。 - 署名
署名できない場合には公証人が書いてくれるので問題ありません。
まとめ
公公正証書遺言の最大のメリットは、信頼性と法的効力の高さです。公証人の関与によって、遺言書の内容が公正であることが確認されるため、後々のトラブルや争いが起こりにくくなります。また、遺言書の原本が公証役場に保管されるため、紛失や改ざんのリスクも低減します。
認知症であっても作成できる可能性もあります。手続きや内容について不安があれば、ぜひお近くの行政書士事務所に相談して下さい。親身になって相談に応じてくれると思います。
この記事が公正証書遺言作成についてお役に立てば幸いです。