
日本における外国人の在留管理は、法務省入国管理局が厳格に行っています。外国人が日本国内で法律に違反した場合や在留資格を失った場合、退去強制手続きが開始されます。本記事では、退去強制手続きの概要と、その中で重要な役割を果たす監理措置制度について詳しく解説します。特に、監理措置制度がどのようにして被監理者の人権を尊重しつつ、適切な管理を行うかについて焦点を当てます。
退去強制とは
退去強制とは、外国人が日本国内で法律に違反した場合や在留資格を失った場合に、日本から強制的に退去させられる手続きのことを指します。この手続きは、入国管理局が主導し、法務大臣の命令に基づいて行われます。
退去強制事由
退去強制の事由には、以下のようなものがあります。
- 不法入国や不法滞在
- 在留資格の取り消し
- 犯罪行為による有罪判決
- 公共の安全や秩序を乱す行為
退去強制の流れ
退去強制の手続きは、以下の流れで進行します。
- 発見・通報
不法滞在や犯罪行為が発覚した場合、警察や入国管理局に通報されます。 - 調査・収容
入国管理局が調査を行い、必要に応じて対象者を収容します。 - 審査・決定
審査官が退去強制の必要性を判断し、法務大臣に報告します。 - 退去命令
法務大臣が退去命令を発出し、対象者は日本から退去させられます。
退去強制手続きの概要
退去強制手続きは、迅速に進められることが求められます。入国審査官による認定・特別審査官による判定・法務大臣による裁決に対する不服申し立ては、発出されてから3日以内に行う必要があります。
監理措置制度とは
監理措置制度は、退去強制手続き中に対象者が逃亡しないように監理しつつ、一定期間社会内での生活を許容する制度です。法律上、監理措置とは監理者による監理に付する措置と定義されており、監理措置に付された人を「被監理者」と呼びます。
監理措置が創設された背景
監理措置制度は、収容施設の過密化や人権問題に対処するために創設されました。これにより、収容施設に収容せずに退去強制手続きを進めることが可能となり、被監理者の人権を尊重しつつ、適切な監理が行われます。
監理措置の種類と要件
監理措置には、退去強制令書発付「前」と「後」のものがあります。
退去強制令書発付前の監理措置
- 要件
- 監理人が選定できること
- 主任審査官が、対象者が逃亡や証拠隠滅の恐れがあるかどうか、収監しないで退去強制手続きを行うことが相当と認めること
- 被監理者は、生計の維持に必要な範囲内で例外的に報酬を受ける活動が認められることがある
退去強制令書発付後の監理措置
- 要件
- 監理人が選定できること
- 主任審査官が、対象者が逃亡や不法就労活動の恐れがあるかどうか、収監しないで退去強制手続きを行うことが相当と認めること
- 被監理者は、報酬を受ける活動はできない
被監理者の遵守事項
被監理者は、以下の事項を遵守する必要があります。
- 監理措置決定通知の携帯・提示義務
監理措置決定通知書を常に携帯し、要求された際には提示しなければなりません。 - 監理措置条件の遵守
住居や行動範囲の制限、呼び出しに対する出頭義務などを守る必要があります。 - 定期的な届け出義務の履行
定期的に監理措置の状況を届け出る必要があります。
監理措置の取消事由
監理措置は、以下の事由により取り消されることがあります。
退去強制令書発付前の取消事由
- 取り消さなければならない場合
- 保証金の納付を条件にされた場合に納付しなかった
- 監理人の選定が取り消された場合に新たな監理人が選定されないとき
- 取り消すことができる場合
- 逃亡や証拠隠滅の恐れがあるとき
- 監理措置条件に違反したとき
- 報酬を受ける活動を無許可で行ったとき
- 届け出をしなかったり、虚偽の届け出をしたとき
退去強制令書発付後の取消事由
- 取り消さなければならない場合
- 保証金の納付を条件にされた場合に納付しなかった
- 監理人の選定が取り消された場合に新たな監理人が選定されないとき
- 取り消すことができる場合
- 送還を実施するために被監理者を収容する必要が生じたとき
- 逃亡や不法就労活動の恐れがあるとき
- 監理措置条件に違反したとき
- 届け出をしなかったり、虚偽の届け出をしたとき
まとめ
強制退去手続きや監理措置制度について理解することは重要です。しかし、具体的なケースにおいては専門家のアドバイスが不可欠です。行政書士に相談することで、収監されずに送還される選択肢や、就労の可能性について適切なアドバイスを受けることができます。不法滞在による上陸拒否期間の延長を防ぎ、法に従った正しい選択をするためにも、ぜひ行政書士にご相談ください。
この記事が、監理措置制度についての理解を深める一助となれば幸いです。