
日本にいる外国人の方が、在留資格の内容とは異なる活動で収入を得る場合、「資格外活動の許可」が必要です。
とくに留学生の方にとっては、アルバイトをするうえで非常に重要な制度です。
この記事では、資格外活動の基本ルールや注意点、よくある誤解などについて、わかりやすく解説します。
また、日本語学校を経営・運営されている方、教職員の方にとっても、本内容は非常に実務に役立つものです。
生徒が安心して学びながら生活できるように、制度の正しい理解を持つことは、進路支援やトラブル防止のためにも重要です。
資格外活動とは?

「資格外活動」とは、現在持っている在留資格で認められていない活動を行う際に必要となる許可のことです。
たとえば、「留学」のビザを持っている方がコンビニでアルバイトをする場合、それは「学業」という本来の活動ではないため、資格外活動にあたります。
許可なく働くと不法就労になってしまい、最悪の場合、在留資格の取消や退去強制の対象となることもあるため、事前の申請がとても大切です。
資格外活動の許可が必要な例
- 留学生が飲食店でアルバイトをする
- 家族滞在ビザの方がコンビニでパートをする
このような場合には、出入国在留管理局で資格外活動の許可を受けておく必要があります。
ただし、在留資格の種類によっては資格外活動が認められていないケースもあるため、注意が必要です。
資格外活動が認められていない在留資格
- 短期滞在(観光・親族訪問など)
- 研修
- 技能実習
- 特定技能
- 特定活動(46号・47号・50号など)
これらの在留資格では、資格外活動の許可そのものが「申請できない」または「許可されない」性質を持っています。
留学生のアルバイト:週28時間までが上限
「週28時間以内」は、1週間の合計勤務時間です。
複数のアルバイトを掛け持ちしていても、すべて合わせて28時間以内におさめなければなりません。
時間超過は「資格外活動違反」となり、将来のビザ更新や変更に影響することがあります。
長期休業中は1日8時間までOK
大学や専門学校の「学則で定められた長期休業期間」に限り、1日8時間までの就労が可能です。
ただし、休学中や私的な休暇中には適用されません。
資格外活動の許可が不要なケース
- TA・RA(教育・研究補助)
- 非営利の講演等に対する謝礼
- 日常生活に伴う臨時の収入(礼金など)
時間オーバーは不許可の原因に

28時間を超えて働いた事実が発覚すると、就労ビザへの変更申請が不許可となるリスクがあります。
入管は課税証明や勤務先情報から実態を確認しています。
風俗営業などは禁止されています
- キャバクラ、ホストクラブ
- パチンコ店、風俗店
- 深夜の酒類提供飲食店での接客
たとえ資格外活動許可があっても、これらの業種では働くことはできません。
まとめ
資格外活動の許可とルールを守って安全に働こう
留学生や家族滞在の方が報酬を得る活動をするには、原則として資格外活動の許可が必要
- アルバイトは週28時間以内(長期休業中は1日8時間まで)
- 就労が認められていない在留資格もある(短期滞在・研修・技能実習など)
- 風俗営業等は禁止されており、違反すれば在留資格の取消リスクあり
- 資格外活動の時間オーバーは就職ビザへの変更で不許可の原因に
あなたの在留資格は資格外活動の対象?
在留資格 | 資格外活動の許可可否 | 補足 |
---|---|---|
留学 | ◯(要許可) | アルバイト可(週28時間以内) |
家族滞在 | ◯(要許可) | パート等可(時間制限あり) |
文化活動 | ◯(要許可) | 芸術活動等には許可必要 |
短期滞在 | ×(不可) | 就労目的での滞在不可 |
研修 | ×(不可) | 報酬付き活動不可 |
技能実習 | ×(不可) | 副業等は不可 |
ルールをしっかり守ってアルバイトすることが、将来のビザ更新やキャリア形成にもつながります。
少しでも不安なことがあれば、事前に専門家に相談しましょう。
「今の働き方は大丈夫?」「このまま就職活動しても大丈夫かな?」と不安な方へ。
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