家族滞在ビザの申請で不許可となるケースは、申請者本人に問題がある場合だけではありません。家族のうち一人でも審査上の疑義があると、家族全員が不許可になることがあります。これは入管が「家族単位」で審査を行うためです。
特に注意が必要なのは、家族全員でまとめて申請するケースです。一人でも条件を満たさない家族がいると、その影響で全員の審査が厳しくなり、結果として家族滞在が不許可となることがあります。状況によっては、あえて一部の家族を申請から除外するという判断が必要になる場面があります。
また、一度不許可になってから再申請を行う場合、入管は前回の審査内容を踏まえてより深い部分まで確認するため、初回よりも難易度が高くなる傾向があります。本記事では、家族滞在が不許可となる典型的な原因、申請時の注意点、必要書類、そして不許可を避けるための実務的なポイントを詳しく解説します。
家族滞在の制度概要と申請先
家族滞在は、日本で就労している外国人の配偶者や子どもを日本に呼び寄せるための在留資格です。本体となる外国人が持つ在留資格は、「技術・人文知識・国際業務」「技能」「経営・管理」などが該当します。
留学生についても、大学・大学院・短期大学など法務大臣が告示で定める教育機関に在籍している場合は、家族滞在が認められる可能性があります。ただし、日本語学校に在籍する留学生は家族滞在の対象外となりますのでご注意ください。いずれの場合も、本体の生活状況や経済力が審査の重要な判断材料となります。
申請先は、本体の住居地を管轄する地方出入国在留管理局(入管)またはその支局・出張所です。海外にいる家族を呼び寄せる場合は「在留資格認定証明書交付申請(COE申請)」を、すでに日本国内にいる家族の在留資格を変更する場合は「在留資格変更許可申請」を行います。
どちらの手続きにおいても、家族滞在が不許可となる要因は共通しています。本体側の収入不足や税金の滞納、家族関係を証明する書類の不備などが代表的な原因です。
家族滞在の対象者と審査のポイント

家族滞在の対象となるのは、本体の「配偶者」と「子ども」です。
配偶者については、法律上有効に婚姻関係が成立し、現在も継続していることが必要です。内縁関係(事実婚)や、離婚・死別した元配偶者は対象外となります。また、外国で有効に成立した同性婚であっても、日本の入管法上は「配偶者」として認められず、家族滞在の対象にはなりません(平成25年10月18日法務省通達)。同性パートナーについては、一定の条件のもとで「特定活動」という別の在留資格が検討される場合があります。
子どもの年齢についても注意が必要です。日本の入管実務上、18歳以上の子どもは原則として家族滞在の対象外とされています。これは、日本では18歳以上は成人として自立することが期待されるという考え方に基づいています。海外では成人後も親が子どもを扶養する文化が一般的な国も多いですが、日本の制度ではこの点が異なるため、18歳以上の子どもを家族滞在で呼び寄せようとすると不許可になる可能性が極めて高くなります。
なお、重度の障害や継続的な医療支援が必要な事情がある場合には、18歳以上でも例外的に認められた事例が存在します。ただし、これは公式に基準が示されているものではなく、個別の事情を丁寧に説明し、入管の裁量による判断を仰ぐ形になります。
また、本体側に以下のような問題があると、家族滞在が不許可となりやすくなります。
- 収入が家族を扶養するのに十分でない(配偶者と子ども1人を扶養する場合、年収300万円以上が目安)
- 住民税や所得税の未納・滞納がある
- 勤務先の雇用形態が不安定(短期契約、試用期間中など)
- 居住スペースが家族の人数に対して明らかに狭い
家族滞在申請に必要な書類

家族滞在の不許可を防ぐためには、必要書類を正確かつ過不足なく揃えることが欠かせません。特に海外で発行される書類については、記載内容の不備や翻訳の誤りが原因で不許可となるケースが少なくありません。
主な必要書類は以下のとおりです。
- 婚姻証明書(配偶者を呼ぶ場合)
- 出生証明書(子どもを呼ぶ場合)
- 本体の在留カードの写し
- 本体の雇用契約書または在職証明書
- 源泉徴収票、課税証明書、納税証明書などの収入・納税関係書類
- 賃貸契約書または不動産登記簿(居住スペースの証明)
- 預金残高証明書(生活費を賄える資力の証明)
- 家族写真(任意だが提出が望ましい)
婚姻証明書や出生証明書は、必ず現地政府が正式に発行したものが必要です。宗教団体や村長が発行した証明書では認められない場合があります。また、国によっては「家族証明書」のような書類を発行することがありますが、日本の審査ではこれだけでは不十分とされ、別途、婚姻証明書や出生証明書の提出を求められます。
翻訳文についても注意が必要です。原本と翻訳の内容に齟齬があると、書類の信憑性を疑われ、不許可につながることがあります。
申請の流れと注意すべきポイント
家族滞在の申請では、配偶者と子ども全員をまとめて申請するケースが一般的ですが、この方法は家族滞在 不許可のリスクも高めます。家族のうち一人でも審査上問題がある場合、その影響が他の家族にも波及し、全員が不許可となる可能性があるのです。
たとえば、配偶者と18歳未満の子ども2人、そして18歳以上の子ども1人を同時に申請したとします。18歳以上の子どもは原則として家族滞在の対象外であるため、この子どもの審査で疑義が生じると、他の家族の審査にも影響を及ぼすことがあります。
このようなリスクを避けるためには、許可される可能性が高い家族から順番に申請するという方法が有効です。上記の例であれば、まず配偶者と18歳未満の子ども2人だけで申請し、許可を得た後に18歳以上の子どもについては別の在留資格(留学など)を検討するといった判断が考えられます。
また、一度不許可になった後の再申請では、前回提出した書類や理由書の内容がすべて審査の対象となります。入管は「なぜ前回不許可になったのか」「その問題は解消されたのか」という視点で審査するため、初回申請よりも厳しい目で見られることになります。最初の申請で慎重に準備することが、結果的に最も効率的な方法です。
よくある質問(FAQ)
行政書士に依頼するメリット
家族滞在の不許可を避けるためには、申請前の準備段階で問題点を洗い出し、適切な対策を講じることが重要です。行政書士に依頼することで、以下のようなサポートを受けることができます。
- 家族構成や個別の事情を踏まえた申請戦略の立案
- 18歳以上の子どもがいる場合の対応方法の検討
- 収入・税金状況の事前確認と必要な是正措置のアドバイス
- 書類の整合性チェックと翻訳内容の確認
- 不許可になった場合の原因分析と再申請に向けた対策
特に初回申請の精度を高めることが、不許可を避けるための最も効果的な方法です。ご不安な点がございましたら、お気軽にご相談ください。
まとめ
家族滞在ビザの不許可は、申請者本人だけでなく、家族全員に影響を及ぼす可能性があります。入管は家族単位で審査を行うため、一人でも条件を満たさない家族がいると、全員の審査が厳しくなることがあるのです。
不許可を避けるためのポイントは、本体の収入・納税状況の確認、必要書類の正確な準備、そして家族構成に応じた申請戦略の検討です。特に18歳以上の子どもを含める場合は慎重な判断が求められます。
一度家族滞在 不許可となると再申請のハードルが上がるため、最初の申請で十分な準備をすることが大切です。ご自身での判断が難しい場合は、専門家への相談をご検討ください。
💡 家族滞在ビザの申請でお困りの際は、専門家にご相談ください。要件や必要書類など注意点が多いため、事前の確認が重要です。
ご家族の日本での生活がスムーズに始められるよう、心より応援しております。



